社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「私の知り合いじゃっちゅうんなら、彼女の名前言うてみんさい! 知っちょる子なら名前で分かるけん! 言わんのじゃったら……」
両手を実篤の方へ突き出してニギニギとくすぐる仕草をしてみせる。
小さい頃から兄はくすぐられるのを極端に嫌がった。
身長差がなければ両頬を握り拳で挟んでグリグリと痛い思いをさせたいところだけど、それは無理だから仕方がない。
実篤が最も苦手なウエストの両サイドあたりに照準を定めてジリジリ追い詰めたら、実篤が観念したように「くっ、くるみちゃん! 木下くるみちゃんよ!」と信じられない名前を口にした。
「ちょっ、寝言は寝て言いんさい!」
と思わず言いたくなったのも仕方がないではないか。
だって、木下くるみと言えば……鏡花の補習仲間であるとともに、〝学校一可愛い(小悪魔)マドンナ〟と名高かった同級生だ。
とても恋愛偏差値中学生男子の長兄の手に負えるとは思えない。
プレイボーイで名高い次兄の八雲ならまだしも!
両手を実篤の方へ突き出してニギニギとくすぐる仕草をしてみせる。
小さい頃から兄はくすぐられるのを極端に嫌がった。
身長差がなければ両頬を握り拳で挟んでグリグリと痛い思いをさせたいところだけど、それは無理だから仕方がない。
実篤が最も苦手なウエストの両サイドあたりに照準を定めてジリジリ追い詰めたら、実篤が観念したように「くっ、くるみちゃん! 木下くるみちゃんよ!」と信じられない名前を口にした。
「ちょっ、寝言は寝て言いんさい!」
と思わず言いたくなったのも仕方がないではないか。
だって、木下くるみと言えば……鏡花の補習仲間であるとともに、〝学校一可愛い(小悪魔)マドンナ〟と名高かった同級生だ。
とても恋愛偏差値中学生男子の長兄の手に負えるとは思えない。
プレイボーイで名高い次兄の八雲ならまだしも!