社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
オロオロと助けを求めるように視線を入り口に彷徨わせたけれど、鏡花が戻ってくる気配はない。
「ひょっとして栗野が帰ってくるん、期待しちょる?」
と、一歩くるみの方に距離を詰めてきた鬼塚が、意地悪くそんな問いを投げかけてきて。
くるみはハッとして思わず鬼塚の方を見た。
いくら何でも、鏡花のトイレが長すぎることに気がついたくるみだ。
「ずぅっと彼女がくるみから離れんけぇさ、トイレに立ってくれた隙に手ぇ打たせてもろうたんよ」
クスッと笑われて、くるみはサァーッと音を立てて血の気が引くのを感じてしまう。
「鏡花ちゃんに何かしたんっ?」
鬼塚という男は、目的のためならにこやかに何をしでかすか分からないところがある。
それを学生時代に嫌というほど思い知らされたくるみは、だからこそこの男から逃げたのだ。
「さぁ、どうじゃろ? 栗野がこの後も問題なく同窓会を楽しめるかどうかは、くるみ次第じゃと思わん?」
ニコッと微笑まれて、くるみは言葉に詰まって。
「ほら、分かったら手にしたお皿、テーブルに戻そうか」
笑顔でうながされたくるみは、震える手を皿から離した。
「ひょっとして栗野が帰ってくるん、期待しちょる?」
と、一歩くるみの方に距離を詰めてきた鬼塚が、意地悪くそんな問いを投げかけてきて。
くるみはハッとして思わず鬼塚の方を見た。
いくら何でも、鏡花のトイレが長すぎることに気がついたくるみだ。
「ずぅっと彼女がくるみから離れんけぇさ、トイレに立ってくれた隙に手ぇ打たせてもろうたんよ」
クスッと笑われて、くるみはサァーッと音を立てて血の気が引くのを感じてしまう。
「鏡花ちゃんに何かしたんっ?」
鬼塚という男は、目的のためならにこやかに何をしでかすか分からないところがある。
それを学生時代に嫌というほど思い知らされたくるみは、だからこそこの男から逃げたのだ。
「さぁ、どうじゃろ? 栗野がこの後も問題なく同窓会を楽しめるかどうかは、くるみ次第じゃと思わん?」
ニコッと微笑まれて、くるみは言葉に詰まって。
「ほら、分かったら手にしたお皿、テーブルに戻そうか」
笑顔でうながされたくるみは、震える手を皿から離した。