社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
二人ともほろ酔い気分で手を繋いで部屋まで戻って来て。
背後でオートロックのドアが閉じると同時、くるみは我慢出来ずに実篤にそう問い掛けていた。
本当は言われた直後からすっごくすっごく気になっていたけれど、なかなか口に出せるタイミングに見舞われなくて。
時間が経てば経つほど今更な感じがして言い出しにくくなってしまった。
(実篤さん、うちのことどう思うちょるんじゃろ。好いてくれちょるんは分かるんじゃけど……ホンマに結婚も視野に入れてくれちょる? それともあの場を切り抜けるための嘘も方便的なもんじゃった……?)
そんな事を悶々と考えるくるみに、実篤は彼女が何を言っているのか分からないみたいに「ん?」と間の抜けた声を返してくる。
「……ほら、鬼塚くんから救うてくれた時に実篤さん、言うてくれたじゃ? うちのこと……その、……」
そこでゴニョゴニョと言葉を濁したら、実篤がますます戸惑ったようにキョトンとするから。
基本的にいつも何でもズケズケと言えてしまえるくるみだったけれど、さすがに「あのプロポーズみたいな言葉は本気ですか?」と聞くのは恥ずかしくなってしまう。
それでだろうか。珍しく言葉尻がモニョリと揺れた。
だけどくるみはずっとずっとあの時の実篤の本心が聞いてみたくて堪らなかったから。
背後でオートロックのドアが閉じると同時、くるみは我慢出来ずに実篤にそう問い掛けていた。
本当は言われた直後からすっごくすっごく気になっていたけれど、なかなか口に出せるタイミングに見舞われなくて。
時間が経てば経つほど今更な感じがして言い出しにくくなってしまった。
(実篤さん、うちのことどう思うちょるんじゃろ。好いてくれちょるんは分かるんじゃけど……ホンマに結婚も視野に入れてくれちょる? それともあの場を切り抜けるための嘘も方便的なもんじゃった……?)
そんな事を悶々と考えるくるみに、実篤は彼女が何を言っているのか分からないみたいに「ん?」と間の抜けた声を返してくる。
「……ほら、鬼塚くんから救うてくれた時に実篤さん、言うてくれたじゃ? うちのこと……その、……」
そこでゴニョゴニョと言葉を濁したら、実篤がますます戸惑ったようにキョトンとするから。
基本的にいつも何でもズケズケと言えてしまえるくるみだったけれど、さすがに「あのプロポーズみたいな言葉は本気ですか?」と聞くのは恥ずかしくなってしまう。
それでだろうか。珍しく言葉尻がモニョリと揺れた。
だけどくるみはずっとずっとあの時の実篤の本心が聞いてみたくて堪らなかったから。