社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
(ったく、この二人はいくつになっても……)
そう思いつつも、実はそんな両親のことがとっても羨ましかったりする実篤だ。
(俺もくるみちゃんとあんな夫婦になれたらええのぉー)
何気なくそんなことを思ってから、〝夫婦〟というパワーワードに一人でドキッとして照れてしまう。
しかし、現状、愛しいくるみは鏡花と八雲にガッチリ挟まれていて、近くにいるようでその実とっても遠い。
(くるみちゃぁぁぁぁん)
情けなく心の中でくるみを呼んでみたものの、声には出せないので届くわけがなかった。――のだが。
いつの間にか近くにいたはずの両親たちは手を繋いで玄関に行っていて、「おーい、みんな! 早よぉーせんと〇時までに神社に着かれんなるで?」と連史郎が声を掛けてくる。
「ほら兄ちゃん、父さん達が呼びよーる。一人で百面相しちょらんと――行くよ?」
これまたくるみの手を握ったまま、八雲がそう声を掛けてきて、実篤は「馬鹿。百面相なんかしちょらんわ!」と答えつつも、くるみと目が合って。
思わず俺【が】くるみちゃんと手ぇ繋いで行きたいのに、と言う気持ちを駄々洩れにさせてしまった。
そう思いつつも、実はそんな両親のことがとっても羨ましかったりする実篤だ。
(俺もくるみちゃんとあんな夫婦になれたらええのぉー)
何気なくそんなことを思ってから、〝夫婦〟というパワーワードに一人でドキッとして照れてしまう。
しかし、現状、愛しいくるみは鏡花と八雲にガッチリ挟まれていて、近くにいるようでその実とっても遠い。
(くるみちゃぁぁぁぁん)
情けなく心の中でくるみを呼んでみたものの、声には出せないので届くわけがなかった。――のだが。
いつの間にか近くにいたはずの両親たちは手を繋いで玄関に行っていて、「おーい、みんな! 早よぉーせんと〇時までに神社に着かれんなるで?」と連史郎が声を掛けてくる。
「ほら兄ちゃん、父さん達が呼びよーる。一人で百面相しちょらんと――行くよ?」
これまたくるみの手を握ったまま、八雲がそう声を掛けてきて、実篤は「馬鹿。百面相なんかしちょらんわ!」と答えつつも、くるみと目が合って。
思わず俺【が】くるみちゃんと手ぇ繋いで行きたいのに、と言う気持ちを駄々洩れにさせてしまった。