社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
「実篤さん、ごめんなさい」
それでもある程度客足が引いてくると、くるみは必ず車のそばで所在なく立ちん坊を決め込んでいる実篤に声を掛けてくれる。
くるみを待ちわびている強面な闘犬のようにしか見えない実篤だが、彼自身の言によれば、くるみが揉め事に巻き込まれないよう〝この駐車場の「管理者として」〟ガードをしているだけらしい。
くるみからの、自分に向けられた笑顔を見るだけで、実篤はなかなか話せないでいた鬱憤が、一瞬で吹き飛んでしまうのだ。
くるみ曰く、この場所に週一で停車させてもらえるようになってすぐぐらいから、売り上げがグン!と伸びるようになったらしい。
そう言われると、惚れた弱みというやつか。
くるみ贔屓の実篤としては、「そりゃあ良かったわ」となって、その売り上げとやらにもっともっと貢献してやりたくなるのだ。
毎週、社員の人数分プラスアルファのチョココロネと、他に目に付いたパンの中から惣菜パンを中心についつい買い過ぎてしまう。
(ま、俺ひとりで食い切れんでも野田さんや田岡さんが「ええんですか!?」と嬉しげに持ってってくれるけ、問題ないんじゃけど)
「木曜日の売れ行きが他の日より好調なんは、絶対実篤さんのお陰じゃけぇ! ホンマ有難うございます!」
にっこり笑ってそう言われた日には、ついつい目尻が下がりまくってしまう。
「実篤さん、ごめんなさい」
それでもある程度客足が引いてくると、くるみは必ず車のそばで所在なく立ちん坊を決め込んでいる実篤に声を掛けてくれる。
くるみを待ちわびている強面な闘犬のようにしか見えない実篤だが、彼自身の言によれば、くるみが揉め事に巻き込まれないよう〝この駐車場の「管理者として」〟ガードをしているだけらしい。
くるみからの、自分に向けられた笑顔を見るだけで、実篤はなかなか話せないでいた鬱憤が、一瞬で吹き飛んでしまうのだ。
くるみ曰く、この場所に週一で停車させてもらえるようになってすぐぐらいから、売り上げがグン!と伸びるようになったらしい。
そう言われると、惚れた弱みというやつか。
くるみ贔屓の実篤としては、「そりゃあ良かったわ」となって、その売り上げとやらにもっともっと貢献してやりたくなるのだ。
毎週、社員の人数分プラスアルファのチョココロネと、他に目に付いたパンの中から惣菜パンを中心についつい買い過ぎてしまう。
(ま、俺ひとりで食い切れんでも野田さんや田岡さんが「ええんですか!?」と嬉しげに持ってってくれるけ、問題ないんじゃけど)
「木曜日の売れ行きが他の日より好調なんは、絶対実篤さんのお陰じゃけぇ! ホンマ有難うございます!」
にっこり笑ってそう言われた日には、ついつい目尻が下がりまくってしまう。