社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
 硬くしこったそこを、実篤(さねあつ)が口に含んで舌先で転がしたり()んだり吸い上げたりするたび、くるみの蜜壺に入れたままの指がキュゥッと締め付けられる。

 温かな肉ひだが、もっともっとと誘い込むみたいにグニグニと(うごめ)く感触がたまらなく淫猥(いんわい)だ。


「くるみちゃん、もう(はぁ)挿入(いれ)てもええ?」

 乳首をくわえたまま問い掛ければ、その振動さえたまらないみたいにくるみがびくびくと身体を震わせて瞳を潤ませるから。

 実篤の下腹部で息子が痛いくらいに張りつめて存在を主張する。

 はくはくと空気を求めるみたいに喘ぐくるみの唇は、「いいです」の四文字ですら(つむ)げないみたいに声にならない音を漏らした。

 くるみは、それがもどかしくてたまらないみたいにコクコクとうなずいた。

 くるみの意思表示を見るなり、実篤はわざと内壁をこすりあげるようにして指を一気に引き抜いた。

「あんっ」

 途端くるみの蜜口から温かな飛沫が吹きだしてシーツを濡らして。
 そのままそこで行為を続けたらくるみが冷たいかも知れない、と思った実篤だ。

 実篤はくるみの両ひざを抱え上げるようにしてそっと彼女の身体の位置をずらすと、そのついでみたいに熱くそそり立った欲望で()ったばかりのくるみの隘路(あいろ)を一気に割り開いた。

***


「ひゃあぁ、……っ」

 実篤(さねあつ)の執拗な愛撫に、うっ血してふくらんで……いつになく敏感になっていた内壁に、その刺激は強すぎて。

 くるみは目の前にチカチカと星が飛び散る感覚を覚えながら、悲鳴を上げて身体をのけ反らせた。

 それと同時、限界まで潤んだ瞳からポロリと生理的な涙がこぼれ落ちる。

「くるみっ」

 半ば無意識。
 強すぎる刺激から逃れるみたいに上へ上へとずり上がろうとしていたくるみの身体をギュッと抱き締めて、実篤がまるで逃がさないと言うようにくるみの名を呼び捨てるから。

「あ、ぁんっ」

 ギュッ、と抱きしめられたことで繋がりが一層深くなって、くるみは今、自分は実篤に抱かれているのだ、と強く実感させられた。
 そのことが切ないくらいに嬉しくて、受け入れたままの実篤の形を記憶に刻みつけたいみたいにウネウネと膣内(なか)蠕動(ぜんどう)する。

「くっ」

 途端実篤がくるみの耳のすぐそばで吐息を漏らすから。
 くるみは色っぽい彼の声をもっともっと聞いてみたいと(こいねが)わずにはいられない。

 行為の最中になると、感極まるのだろうか。
 実篤はくるみのことを「くるみ」と敬称抜きで呼びかける率が高くなる。

 日頃は大きなクマのぬいぐるみみたいに、ふんわりとした優しい包容力で「くるみちゃん」と甘く口の端に乗せてくるみを包み込んでくれる実篤が、セックスの合間にだけ垣間見せる〝男〟の顔が、くるみはたまらなく好きだ。
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