社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
 実篤(さねあつ)から「くるみ」と呼ばれるだけで自分の中の〝女〟の部分が焚き付けられるみたいにブワリと燃え上がって、感情がどうしようもなく(たかぶ)る。

 口では「イヤ」とか言いながら、心の中では「もっとメチャクチャにして?」と望んでしまうのは、女の(さが)だろうか。

 もしもそうならば、実篤を受け入れることの出来る女性(性別)で良かったとくるみは心の底から思うのだ。


 そんなくるみに、実篤が彼女の最奥を穿(うが)った状態で動きを止めるから……。

 奥の気持ちいいところにずっと触れ続けられているみたいで、快感が高まりすぎて涙があふれる。

「やぁんっ、実篤しゃ、深、い……」

 くるみが苦し紛れに抗議の声を上げたのを見下ろして、実篤が吐息交じりにつぶやいた。

「違うよ、くるみっ。くるみちゃんが目一杯感じちょるけん、子宮口が降りてきとるん、よっ」

 だからそんな風に感じるのだと言われても、くるみには理解できない。

 涙に潤んだ瞳で懸命に実篤を見上げたら、実篤が愛しくてたまらない、という風にくるみのなかに挿入(いれ)たままの欲望の質量を更に増してきた。

「んっ、ダメぇっ。これ以上っ、(おっ)きく……せんでっ」

 気持ち良すぎて苦しいのだと、くるみは懸命に訴えたけれど、それすら逆効果。

「くるみちゃ、そんなに(そんとに)締め付けたら、俺っ、(なご)ぉ持ちそう、にないんじゃ、けどっ」

 挿入されてからこっち、実篤(さねあつ)はくるみの中で微塵も腰を動かしていない。

 ただただくるみが、膣内(なか)の〝実篤〟を奥へ奥へ(いざな)いたいみたいにキュウキュウと肉ひだを絡みつかせて締め付けているだけなのだ。

 挿入(いれ)られているだけなのに死ぬほど気持ちいいのはそのせいだと、くるみ自身は気付けていない。


「……くるみん中、め、ちゃくちゃ俺に絡みついてきて……凄い(ぶっ)気持ちええ、っ」

 実篤の分身を、その形がクッキリと認識出来るくらい何度も何度も緩めては締め付けて、を繰り返しているからだろうか。

 実篤がくるみを抱きしめて切なそうに「たまらなく気持ちがいい」と吐息をもらした。

「くるみちゃ、このままじゃったら……俺、動かんまま(こぉー)()ってしまい、そ、じゃけん、一旦抜かして?」

 言うなり実篤がギリギリまでくるみの中から退くから。
 くるみは寂しさから、まるで逃がしたくないみたいに実篤を追い掛けて腰を動かした。

「く、るみっ、お願い。もっと俺が欲しいって……言うて?」

 実篤がくるみを抱きしめるようにして彼女の耳元に吐息を落とせば、くるみはひゅっ、と息を詰める。

「もっと俺がっ、欲しいって……こ、の可愛い口でっ、おねだりしてっ? 頼む、けん……!」
< 346 / 419 >

この作品をシェア

pagetop