社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
誕生日。
プレゼントの代わりに自分を抱いて欲しいとおねだりしてくれた愛しい妻の愛らしい唇を塞いだら、キュッと背中に腕を回されて。
実篤は我を忘れてその場でくるみを押し倒しそうになった。
だが、ふと視線を転じた先。
くるみが沢山の料理を用意してくれていた居間の床の間に、彼女の両親の位牌と遺影が置いてあったから。
それが目に入った実篤は、慌てて自分の欲望に急ブレーキを掛けた。
(さすがにお義父さん、お義母さんの前でくるみちゃんに破廉恥なことするわけにはいかんじゃろ!)
激情に駆られてキスはしてしまったけれど、それは見逃してください、夫婦ですけぇ……と心の中で情けない言い訳をする。
その論法で行けばセックスだって〝夫婦生活〟の一環なのだから免罪されそうなものだけれど、実篤はそこまで図太くはなれなかった。
それに、何より久々なのだ。大好きなくるみの身体を何の後ろめたさも感じずにアレコレ堪能したい。
――愁いは一つでも少ない方が良いではないか。
「……《《くるみ》》、寝室へ行こうか?」
風呂の後、なんて言葉はこの際聞かなかったことにしてもいいだろう。
くるみが作ってくれた温かい料理が冷めてしまうのは忍びないが、今回だけは特別に見逃してもらいたい。
だって、実篤は何よりも、くるみを一番に食べたくてたまらないのだから。
それでもくるみが抗議の声を上げたなら、実篤は理性を総動員して「マテ」をしただろう。
だが、今回はくるみも実篤の意見に賛同してくれて。
くるみが小さくコクッとうなずいてくれたのを確認するなり、実篤は彼女の華奢な身体を横抱きに抱え上げた。
途端くるみが「ひゃっ」と愛らしく驚きの声を上げたけれど、〝いただきますモード〟に入った実篤はそんなのお構いなし。
大股で居間を突っ切って足早に廊下へ出ると、くるみを抱えたまま寝室の襖を《《足で》》器用にスパン!と蹴り開ける。
通り抜けた襖は開けっ放し。
閉める手間暇ですら惜しがった実篤は、くるみをベッドの上へ降ろすなり自分も彼女に伸し掛かるみたいにマットレスへ上がる。
そうしながらスーツの上を脱ぎ捨ててネクタイを緩めて擦り抜いて――。
くるみの上にまたがったまま、実篤はあっという間に半裸になってしまった。
くるみはすぐ目の前で展開される、いつになく性急な実篤の行動にただただ気圧されて、《《うっとりと》》そんな夫を見上げることしか出来なかった。
実際くるみも、こんな風に我慢出来ないと言う雰囲気をビンビンにまとって、実篤が自分に欲情してくれることが嬉しくてたまらなかったのだ。
そんなくるみの瞳にまぎれもない情欲の色を見て取った実篤は、くるみの顔のすぐ横に片腕をついて、彼女の上に影を落とす。
プレゼントの代わりに自分を抱いて欲しいとおねだりしてくれた愛しい妻の愛らしい唇を塞いだら、キュッと背中に腕を回されて。
実篤は我を忘れてその場でくるみを押し倒しそうになった。
だが、ふと視線を転じた先。
くるみが沢山の料理を用意してくれていた居間の床の間に、彼女の両親の位牌と遺影が置いてあったから。
それが目に入った実篤は、慌てて自分の欲望に急ブレーキを掛けた。
(さすがにお義父さん、お義母さんの前でくるみちゃんに破廉恥なことするわけにはいかんじゃろ!)
激情に駆られてキスはしてしまったけれど、それは見逃してください、夫婦ですけぇ……と心の中で情けない言い訳をする。
その論法で行けばセックスだって〝夫婦生活〟の一環なのだから免罪されそうなものだけれど、実篤はそこまで図太くはなれなかった。
それに、何より久々なのだ。大好きなくるみの身体を何の後ろめたさも感じずにアレコレ堪能したい。
――愁いは一つでも少ない方が良いではないか。
「……《《くるみ》》、寝室へ行こうか?」
風呂の後、なんて言葉はこの際聞かなかったことにしてもいいだろう。
くるみが作ってくれた温かい料理が冷めてしまうのは忍びないが、今回だけは特別に見逃してもらいたい。
だって、実篤は何よりも、くるみを一番に食べたくてたまらないのだから。
それでもくるみが抗議の声を上げたなら、実篤は理性を総動員して「マテ」をしただろう。
だが、今回はくるみも実篤の意見に賛同してくれて。
くるみが小さくコクッとうなずいてくれたのを確認するなり、実篤は彼女の華奢な身体を横抱きに抱え上げた。
途端くるみが「ひゃっ」と愛らしく驚きの声を上げたけれど、〝いただきますモード〟に入った実篤はそんなのお構いなし。
大股で居間を突っ切って足早に廊下へ出ると、くるみを抱えたまま寝室の襖を《《足で》》器用にスパン!と蹴り開ける。
通り抜けた襖は開けっ放し。
閉める手間暇ですら惜しがった実篤は、くるみをベッドの上へ降ろすなり自分も彼女に伸し掛かるみたいにマットレスへ上がる。
そうしながらスーツの上を脱ぎ捨ててネクタイを緩めて擦り抜いて――。
くるみの上にまたがったまま、実篤はあっという間に半裸になってしまった。
くるみはすぐ目の前で展開される、いつになく性急な実篤の行動にただただ気圧されて、《《うっとりと》》そんな夫を見上げることしか出来なかった。
実際くるみも、こんな風に我慢出来ないと言う雰囲気をビンビンにまとって、実篤が自分に欲情してくれることが嬉しくてたまらなかったのだ。
そんなくるみの瞳にまぎれもない情欲の色を見て取った実篤は、くるみの顔のすぐ横に片腕をついて、彼女の上に影を落とす。