社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「ねぇくるみ。俺、くるみの口んなか滅茶苦茶(わやくそ)に掻き回すようなエッチなキスがしたいんよ。――口、開けてくれる?」

 鼻先が触れ合いそうなほど間近に迫って。欲を隠そうともせずそう(そそのか)せば、くるみがとろんとした目で実篤(さねあつ)を見詰めて。

 もうひとおし。そんなくるみの劣情を誘導するみたいに彼女の上気した頬から耳へとやんわり触れたら、途端「実篤さ……」と喘ぐようにつぶやいたくるみが愛らしい唇のあわせを緩めてくれる。

 実篤はそれを認めるなり噛みつくみたいな勢いでくるみの唇を塞いだ。

「はぁ、っん……。ぁっ」

 唇の角度を変えるたび、水音とともにくるみの小さな口から漏れる吐息が死ぬほど艶めいていて、実篤を(あお)りまくってくる。

 実篤はくるみにキスをしながら彼女の柔らかな胸を、服の上からふにふにと押しつぶした。
 実篤の手指が力を加える度に、まるで彼の手を包み込むみたいに形を変えるくるみのおっぱいが、実篤は切なくなるくらい大好きだ。

(直に触りたいっ)

 半ばタガの外れた頭でそう考えた実篤は、くるみのニットワンピースを、スポッと被るタイプのエプロンごとグイッとたくし上げると、チュッとくるみの舌を吸い上げるようにして一旦口付けを(ほど)いた。

「服、邪魔じゃけ、脱ごっか」

 くるみの唇を濡らすどちらのものとも分からない唾液を親指の腹でそっと拭うと、実篤がくるみの耳元に唇を寄せて誘いかける。

 くるみが小さくうなずいて素直に両腕をバンザイの形にしてくれるから、実篤は彼女の髪の毛を絡ませないよう気をつけながらニットの首元を少し開き気味にしてくるみからワンピースとエプロンを抜き去った。
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