社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
「くるみちゃん、起きちょる?」
実篤がヒクヒクと泣き始めた一葉を抱いて二階居住区の寝室を覗くと、くるみが丁度ベッドに身体を起こしたところだった。
「痛みとか熱とかどんな?」
くるみの額に手を当てながら聞いたら、実篤の腕から一葉を抱き取ったくるみが「大分楽になりました」と微笑む。
「うち、一葉と一緒でも大丈夫ですよ? 実篤さん、この子見ながらお仕事は大変でしょう?」
実篤を労るようにくるみが色素の薄い大きな目で見上げてくるから、実篤は「うちのチームワークの良さ、知っちょるじゃろ? みんなが助けてくれるけん、何も心配はいらんよ。じゃけ、今日一日は俺《《ら》》に甘えちょき?」と、そんなくるみの額にやんわりと口付けを落とした。
「乳、張っちょらん?」
一葉を産んで、ワンサイズアップしたくるみの大きな胸にちらりと視線を投げかけたら、
「ちょっとおっぱいが溜まってきちょります。カチカチになったらいけんけぇ、丁度一葉を連れてきてもらおうと思うちょったところです」
と胸元をはだけながら応える。
実篤はくるみの白い肌から思わず視線を逸らすと、
「えっと……俺、ちょっとリビングへ用があるけん。くるみちゃんは一葉におっぱいあげよって? 済んだら呼んでくれたらまた迎えに来るけん」
慌てたようにそう言い放って寝室を後にした。
産後の女性は性欲などほぼ皆無になって、全振りで母親モードに移行するという。
実篤の、持て余したこのくるみへの劣情は、残念ながら今は自己処理するしか道は無いわけで。
かといって今は仕事中。
そんな不埒なことをしていいわけがない。
下腹部へ集中し始めた血流を宥めるべく、実篤は頭の中で羊を数え始めた。
(――いや、これ、眠れん時にやるやつ!)
そんなことを思ったけれど、この際気持ちが切り替わるなら何だって構わない。
くるみがおっぱいを空っぽにしている間に、ムラムラと昂ってくるエッチな気持ちを捨て去ることが出来るだろうか。
お腹がいっぱいになって眠っても。
きっと一葉はベッドへ下ろすとすぐ、ふぇふぇ泣いてくるみを困らせてしまうだろうから。
実篤は、一葉が泣き始める前に、ワガママな息子の気をそらしてやらなければいけない。
END(2023/01/26)
「くるみちゃん、起きちょる?」
実篤がヒクヒクと泣き始めた一葉を抱いて二階居住区の寝室を覗くと、くるみが丁度ベッドに身体を起こしたところだった。
「痛みとか熱とかどんな?」
くるみの額に手を当てながら聞いたら、実篤の腕から一葉を抱き取ったくるみが「大分楽になりました」と微笑む。
「うち、一葉と一緒でも大丈夫ですよ? 実篤さん、この子見ながらお仕事は大変でしょう?」
実篤を労るようにくるみが色素の薄い大きな目で見上げてくるから、実篤は「うちのチームワークの良さ、知っちょるじゃろ? みんなが助けてくれるけん、何も心配はいらんよ。じゃけ、今日一日は俺《《ら》》に甘えちょき?」と、そんなくるみの額にやんわりと口付けを落とした。
「乳、張っちょらん?」
一葉を産んで、ワンサイズアップしたくるみの大きな胸にちらりと視線を投げかけたら、
「ちょっとおっぱいが溜まってきちょります。カチカチになったらいけんけぇ、丁度一葉を連れてきてもらおうと思うちょったところです」
と胸元をはだけながら応える。
実篤はくるみの白い肌から思わず視線を逸らすと、
「えっと……俺、ちょっとリビングへ用があるけん。くるみちゃんは一葉におっぱいあげよって? 済んだら呼んでくれたらまた迎えに来るけん」
慌てたようにそう言い放って寝室を後にした。
産後の女性は性欲などほぼ皆無になって、全振りで母親モードに移行するという。
実篤の、持て余したこのくるみへの劣情は、残念ながら今は自己処理するしか道は無いわけで。
かといって今は仕事中。
そんな不埒なことをしていいわけがない。
下腹部へ集中し始めた血流を宥めるべく、実篤は頭の中で羊を数え始めた。
(――いや、これ、眠れん時にやるやつ!)
そんなことを思ったけれど、この際気持ちが切り替わるなら何だって構わない。
くるみがおっぱいを空っぽにしている間に、ムラムラと昂ってくるエッチな気持ちを捨て去ることが出来るだろうか。
お腹がいっぱいになって眠っても。
きっと一葉はベッドへ下ろすとすぐ、ふぇふぇ泣いてくるみを困らせてしまうだろうから。
実篤は、一葉が泣き始める前に、ワガママな息子の気をそらしてやらなければいけない。
END(2023/01/26)