社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
基地の中ではくるみと実篤は年子の男の子ばかりの小学生組三人の後をついて歩くのが主な仕事だった。
堀夫妻は園児の娘さんと、双子の男の子ふたりを見ていて。
小さい子らを任されたら確かにどうしていいか分からなかったかも知れん。大きい子組の方でよかった!と思った実篤だったけれど。
じゃあ大きい子たちが安泰だったかというとそうでもなかった。
「あー! ちょっと待って! ちょっと待って! 勝手に走って行かんちょいて〜!」
「あああ! 何で三つに分かれるん! みんな一緒にっ!」
小学生組をお願いします、と堀夫妻に言われたとき、年の離れた弟や妹がそのくらいの頃、子犬のようにクルクル動き回る彼らを追いかけ回していたのを思い出して「いけるじゃろ」と思った実篤だったのだが――。
(あの頃は俺も若かったんじゃったぁぁぁ!)
と心の中で嘆きの悲鳴を上げる羽目になった。
ぜぇぜぇ言いながら子供たちに翻弄されまくり、振り回されまくりの実篤を、くるみが嬉しそうにコロコロ笑いながら追いかけて。
(くるみちゃんも若いわぁっ!)
自分と同じように走り回っているはずなのに涼しい顔をしているくるみを見て、改めて年の差を実感させられた実篤だった。
基地の中ではくるみと実篤は年子の男の子ばかりの小学生組三人の後をついて歩くのが主な仕事だった。
堀夫妻は園児の娘さんと、双子の男の子ふたりを見ていて。
小さい子らを任されたら確かにどうしていいか分からなかったかも知れん。大きい子組の方でよかった!と思った実篤だったけれど。
じゃあ大きい子たちが安泰だったかというとそうでもなかった。
「あー! ちょっと待って! ちょっと待って! 勝手に走って行かんちょいて〜!」
「あああ! 何で三つに分かれるん! みんな一緒にっ!」
小学生組をお願いします、と堀夫妻に言われたとき、年の離れた弟や妹がそのくらいの頃、子犬のようにクルクル動き回る彼らを追いかけ回していたのを思い出して「いけるじゃろ」と思った実篤だったのだが――。
(あの頃は俺も若かったんじゃったぁぁぁ!)
と心の中で嘆きの悲鳴を上げる羽目になった。
ぜぇぜぇ言いながら子供たちに翻弄されまくり、振り回されまくりの実篤を、くるみが嬉しそうにコロコロ笑いながら追いかけて。
(くるみちゃんも若いわぁっ!)
自分と同じように走り回っているはずなのに涼しい顔をしているくるみを見て、改めて年の差を実感させられた実篤だった。