社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
「こんだけ車が少なけりゃあはぐれることもないと思うけど一応……」
実篤はくるみの車の運転席に中途半端に腰掛けて、ドアを開けたままオーディオ一体型のカーナビに自分の家の住所を登録すると、行き先指定して車外のくるみを振り返った。
「――っ!」
てっきり運転席そばに立っているとばかり思っていたくるみが、身を乗り出すようにして車の中を覗いていて、その近さに驚いてあやうく悲鳴を上げそうになってしまった実篤だ。
(くっ、唇が当たるかと思うたっ!)
事故みたいに彼女とのファーストキスが終わってしまうのだけは避けたい!と本気で思ってしまってから、「乙女か!」と自分で自分の思考回路にツッコミを入れる。
そんな実篤をキョトンと見つめて来るくるみの視線に気付いた彼は、慌てて言葉を紡いだ。
「……もっ、もしも信号とかで俺の車とはぐれたりしたら、こっ、コレを頼りに走ってきてくれる?」
聞いたら、「はぐれんように気に掛けてくれんのん?」と拗ねたみたいに唇をとがらせてくるとか。
可愛すぎて「小悪魔め!」と思わずにはいられない。
「こんだけ車が少なけりゃあはぐれることもないと思うけど一応……」
実篤はくるみの車の運転席に中途半端に腰掛けて、ドアを開けたままオーディオ一体型のカーナビに自分の家の住所を登録すると、行き先指定して車外のくるみを振り返った。
「――っ!」
てっきり運転席そばに立っているとばかり思っていたくるみが、身を乗り出すようにして車の中を覗いていて、その近さに驚いてあやうく悲鳴を上げそうになってしまった実篤だ。
(くっ、唇が当たるかと思うたっ!)
事故みたいに彼女とのファーストキスが終わってしまうのだけは避けたい!と本気で思ってしまってから、「乙女か!」と自分で自分の思考回路にツッコミを入れる。
そんな実篤をキョトンと見つめて来るくるみの視線に気付いた彼は、慌てて言葉を紡いだ。
「……もっ、もしも信号とかで俺の車とはぐれたりしたら、こっ、コレを頼りに走ってきてくれる?」
聞いたら、「はぐれんように気に掛けてくれんのん?」と拗ねたみたいに唇をとがらせてくるとか。
可愛すぎて「小悪魔め!」と思わずにはいられない。