まあそんな感じなんです、町川



「え、ここ駄菓子コーナーできてんじゃん」

「ほんとだ。かわいいね」

「山車に乗せられてるみたい」

「かわいいね」

「……茅ヶ崎もかわいいよ」

「え、何そのオプション。いらんけど」

「言われたくて繰り返してんのかと思った」



町川は、納豆味の駄菓子とかミント味の駄菓子とかいろいろとカゴに突っ込んで行ったけれど、値札についてはノールックだった。



というか選択が珍しいと思う、駄菓子といえばー? って街ゆくひと100人に聞いても5人くらいは激推しするけれど食べたことないってひとが半数は占めそうな。



「値段気にしないの?」

「ものすごい高くなるわけでもないから、こうやってするのも楽しみ方のひとつかなって思ってしてみてる。初体験」

「なるほど……。わたしもそうしようかな」

「してみ? 俺はいま、すごい楽しんでる。小学生のときのお菓子300円までルール、じつは本気で恨んでた勢だから」



想像つく、と返して町川に小突かれた。いや、小突かれたっていうか肩どうしの衝突。うわあ、ぶつかられた。事故だ事故。


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