まあそんな感じなんです、町川



「痛いんですけども」

「痛くないよ」

「……え? 痛いんですが」

「それ、ほんとは痛くないから大丈夫、大丈夫」



大丈夫? とは?



「茅ヶ崎は何入れんの」

「あ、町川の持ってるのに入れていいの?」

「ん、どうぞ」



ありがと、と、差し出されたカゴにカラフルなマシュマロと綿菓子を突っ込んだ。ねり飴もそっと付け加える。



「入れ方」

「そりゃどうも」

「褒めてないけど、まあ、そういうとこもかわいいんじゃん?」

「怒らせに来てる?」

「よいしょして奢ってもらおうの精神」



町川のことはほっぽって、スイーツでも見にいこうかな。



「あれ、もしかして俺のことおいてくの?」

「うん。あ、チョコ入りマシュマロも入れといて。あとゼリー入りのも」

「あーはいはい」



わたしはシュークリームとエクレアを手にした。シェアパックのやつ。まあシェアしませんが……っていうね。


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