初恋は、君の涙に溶けていく

私と八尋の友情は小学校を卒業してからも、ずっと続いた。

私達は同じ中学校に進学して、幸運なことに毎年のクラス替えを乗り越えて、三年間ずっと同じクラスになり続けた。

とはいっても、私達の住む小さな町には、小学校も中学校も一つずつしかなくて、クラスの数も一学年に四つだけだから、確率的には、そんなに珍しいことじゃないんだけど。

それでも少しだけ「これって運命かな？」なんて勝手な妄想をしてしまうのは、私が八尋に恋をしているからなんだって自覚してる。

出会った頃は、私だけが八尋のことを好きにならなかったのに。

私達の関係は友情のみで結ばれていて、恋愛感情なんて生まれるはずが無いと思ってたのに。

いつの間にか気がついたら、藤井八尋という存在は私にとって親友じゃなくて、好きな人になっていた。