初恋は、君の涙に溶けていく
「八尋に好きな人がいるのはね、本当だよ」
里穂と抱き合ったまま、私は言った。
「私ね、八尋に教えられるずっと前から、何となくそんな気がしてたんだ」
昔から八尋はモテるのに、周りにいる女子と距離を置いていた。
親友の私とでさえ、恋愛に発展しないように気をつけて接してた。
私は八尋に恋愛感情を抱くようになってから、そういう八尋の態度に気がつくようになったんだ。
だから、どこかに彼女とか……好きな人とか……八尋が距離を置かない特別な女の子がいるのかな? ってなんとなく思ってた。
告白の時、八尋に好きな人がいるって言われて、約束の指輪も見せられて、やっぱりって思った。
「だから、里穂に「八尋は私を好き」って言われても、無邪気に信じられないよ」
里穂は黙って私の話を聞いてくれてる。
友達と抱き合ってるこの場所だけ、冬の真ん中なのに温かい気がする。
私は安心した気持ちになって、失恋したあの日から誰にも話してなかった、私の本当の本音を口に出した。
「でもね、私、それでも八尋のことが好き」
失恋したことに無理やり納得した気持ちになろうとしてたけど。
もう諦めなくちゃって思ってたけど。
心の中から八尋のことが好きな気持ちが全然消えないんだ。
八尋が好き。大好き。世界で一番好き。
里穂と抱き合ったまま、私は言った。
「私ね、八尋に教えられるずっと前から、何となくそんな気がしてたんだ」
昔から八尋はモテるのに、周りにいる女子と距離を置いていた。
親友の私とでさえ、恋愛に発展しないように気をつけて接してた。
私は八尋に恋愛感情を抱くようになってから、そういう八尋の態度に気がつくようになったんだ。
だから、どこかに彼女とか……好きな人とか……八尋が距離を置かない特別な女の子がいるのかな? ってなんとなく思ってた。
告白の時、八尋に好きな人がいるって言われて、約束の指輪も見せられて、やっぱりって思った。
「だから、里穂に「八尋は私を好き」って言われても、無邪気に信じられないよ」
里穂は黙って私の話を聞いてくれてる。
友達と抱き合ってるこの場所だけ、冬の真ん中なのに温かい気がする。
私は安心した気持ちになって、失恋したあの日から誰にも話してなかった、私の本当の本音を口に出した。
「でもね、私、それでも八尋のことが好き」
失恋したことに無理やり納得した気持ちになろうとしてたけど。
もう諦めなくちゃって思ってたけど。
心の中から八尋のことが好きな気持ちが全然消えないんだ。
八尋が好き。大好き。世界で一番好き。