初恋は、君の涙に溶けていく
私が八尋に告白したのは、そのすぐ後のことだった。

たぶん、振られるんだろうな、と思いながら。

振られたら、もう放課後の教室で二人きりのお喋りとかできなくなるんだろうな、とか考えながら。

それでも我慢出来なくなって私は、

「私、八尋が好き。八尋の彼女になりたい」

って、言っちゃったんだ。

もう少しマシな言い方とかあったんじゃないのかな？

どんな風に好きなのか、とか。

いつから好きだったのか、とか。
　
色々と伝えなきゃいけないことがあったんじゃないの？　『告白』って。

というのは、今でもときどき考えてしまう反省点。

だけど、この時の私は人生で初めての告白で心の余裕が全然無かったし。

というか、そもそもまだ告白する気なんか無かったのに、思わず口から本音が出ちゃっただけなんだから仕方がない。

そういうことにしておきたい。
　
どうせ今さら取り返しはつかないんだし。

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