初恋は、君の涙に溶けていく
八尋。
私の幼馴染みで、親友で、失恋相手でもある男の子の名前は、藤井八尋と言う。
小学校六年生の時に、東京の学校から私の住む九州の小さな町に転校してきた男の子。
八尋は最初から目立つ子だった。
転入初日。
担任の先生に導かれて教室に入って来てから、自己紹介を終えるまでの五分くらいの間に【私以外】のクラスの女子全員が、八尋に恋をした。
だって、八尋がすごく綺麗な男の子だったから。
背が高くて色白で、前髪がお洒落に整っていて、標準語の優しい言葉で話す、綺麗な顔をした男の子。
地方の小さな町に暮らしている女の子が憧れる『東京の王子様』が現実になって姿を現したみたいな存在。
それが藤井八尋だった。
私以外の女子はみんな、一瞬で八尋に夢中になった。
どうしてその時、私だけが八尋に興味を持たなかったのかというと、それは単純な話で、私はクラスの女子達よりも色気づくのが遅かったのだ。
当時の私は恋愛とかよくわからなくて、東京から来た王子様と、クラスに沢山いる坊主頭のじゃがいも男子の違いもよくわかってなかった。
だけど、無欲の勝利って、言うのかな?
八尋の席はクラスの中で唯一、目がハートになっていない、私の隣に決まった。
私の幼馴染みで、親友で、失恋相手でもある男の子の名前は、藤井八尋と言う。
小学校六年生の時に、東京の学校から私の住む九州の小さな町に転校してきた男の子。
八尋は最初から目立つ子だった。
転入初日。
担任の先生に導かれて教室に入って来てから、自己紹介を終えるまでの五分くらいの間に【私以外】のクラスの女子全員が、八尋に恋をした。
だって、八尋がすごく綺麗な男の子だったから。
背が高くて色白で、前髪がお洒落に整っていて、標準語の優しい言葉で話す、綺麗な顔をした男の子。
地方の小さな町に暮らしている女の子が憧れる『東京の王子様』が現実になって姿を現したみたいな存在。
それが藤井八尋だった。
私以外の女子はみんな、一瞬で八尋に夢中になった。
どうしてその時、私だけが八尋に興味を持たなかったのかというと、それは単純な話で、私はクラスの女子達よりも色気づくのが遅かったのだ。
当時の私は恋愛とかよくわからなくて、東京から来た王子様と、クラスに沢山いる坊主頭のじゃがいも男子の違いもよくわかってなかった。
だけど、無欲の勝利って、言うのかな?
八尋の席はクラスの中で唯一、目がハートになっていない、私の隣に決まった。