恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
腕の中にある愛深の温度に,紛れもなく本物だと知る。
弘は家庭が壊れる前から友達だった弘以外の全て,あれからの俺は大切な存在を作るのを恐れていた。
心を痛めるのはもう,たくさんだったから。
また俺をみてくれなくなると思うと,どうしても周りから一歩引いてしまった。
心のところで,人を拒絶した。
そこに現れたのが愛深。
真っ直ぐに,瞳を不安に揺らしながら,やって来て。
極力俺に嫌がられないようにと,それでも俺のことを知りたいと正面から言った。
不思議で,きっとどこか嬉しくて,俺は愛深の存在を受け入れた。
もう,その時から俺は変わっていた。
愛深は俺の,特別。