恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
譲れない女の子
予想外
冬休みが過ぎ去り,また1つ上に進級する日。
クラス替えに興味なんて無かったけど,自分の近くに愛深の名前を見つけたとき,俺はふと喜んだ。
その上,弘も変えられることがなかった。
愛深は去年違ったから,もしかして,なんて思ってたけど。
ほんとにそうなんて,あんまり期待してなかったから。
愛深はもう知ったのかな,どんな反応するんだろう。
ずっとずっと,わざわざ隣から来ていた日常があっさり変わることになる。
喜ぶかな,それとも……
キスしたんだよなと思い出せば,少しだけ気まずい気もした。
だって俺は,結局愛深には何も伝えてないんだから。