恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
失礼なような,残念なような。
伝えて無かったというより,伝え忘れてたと言うより。
そのバイト自体を俺が忘れてたから。
さっき思い出して,用事は終わったと言うような形で伝えなくてはいけなくなった。
「バイト?」
きょとんとする愛深。
弘の家のカフェで,人手不足の日は駆り出される。
少し前からこの日は決まってた。
そう説明して,なのに。
怒ることも残念がることもなく,愛深は満面の笑みで笑った。
何を不思議に思うこともなく,これで充分みたいに。
「忙しいのにごめんね。でも,ありがとう。すっごく楽しかったよ!」