恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
目の端に,体全体を使って愛深を見る弘が映る。
愛深はどこか呆れたように肩をすくめて,答えた。
あぁ,あれか。
と,俺は1人思い出す。
弘にせがまれて,暇だから乗った誘い。
「うん,もちろん知ってるし,私も今度いくよ。なんていうか,一年のうち何回か定期的にあるやつでね? 地域活性化のためにやってるマーケットみたいなのだよ」
「へぇ」
愛深も,か。
「お昼ごはんとかに丁度良いんだ。私イカ焼きすきだからほぼその目的で行って,そのあと近くで遊んだりするの」