恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
嫌な音は,月曜が来ても変わらなくて。

ムシャクシャした気持ちは,いつも以上に無口な俺を作った。

弘に何を聞かれても,答える気にもならない。

そんな嫌な音と感情は,愛深の姿を目に止めた途端,更に大きくなる。

この感情に起因するのは,多分,愛深だ。



「あっ暁く……」
            
            
           
ーガタッ     
            
            
           
「わっ……え?」    



愛深から逃げるように立ち上がると,愛深は驚いたように身体を止めた。

  
            
「…トイレだけど」   



自分がみっともなく思えて,俺は咄嗟に嘘をつく。

  
             
「あ,そう。いってらっしゃい?」
            
  

どこか納得していない,困惑を乗せた声。

俺は,何してるんだろう。           
             
教室を出る間際,愛深が弘に話しかけている姿が見えた。   
              
              
           
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