恋と旧懐~兎な彼と1人の女の子~
1から説明する時間なんてない。

だって,これが愛深だから。

その上,電車はもう,タイミングの悪いことに自分の駅についてしまった。

愛深は,ひらひらと笑顔で手をふっている。

ねぇ愛深,そんなに傷だらけで,誰に癒されることもなく。

そんな愛深の幸せって……なに?

失う準備をしたまま感じている普段の幸せを,ほんとに幸せだと受け入れるなんて,出来るの?

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