生存率0%
【ポーン…】
エレベーターが着いた。
「美咲!行くぞ!」
美咲は真紀の方を見るだけで、返事はしなかった。
「何してんだよ!ほら、行くぞ!」
輝が美咲の腕をグイッと掴み、エレベーターに乗せようとした。
「でも、真紀が…」
「ほっとけよ!そんな奴どうでもいいだろ!?」
輝の言い方に、さすがの美咲も怒った。
「どうでもよくない!真紀は大事な親友だもん!私は真紀の言ってること、信じる!そんなに下に行きたいなら、輝だけ行けばいいじゃない!」
「美咲…」
彼氏より親友を取ってくれた美咲の優しさに、真紀は目に涙を溜めた。
しかし、それは輝にとって、全く面白くない展開だった。
むしろ美咲と真紀の両方に対する、怒りが込み上げてきた。