生存率0%
その沈黙を破ったのは、美咲でも、真紀でもなかった。
もちろん、琢真でも、男でもない。
輝だった…
エレベーターの階を表示する光が、『6』からだんだんと下がっていき、『1』を照らした時だった。
「うぁぁぁぁぁあ!!」
6階にいるというのに、微かながらに聞こえた叫び声は、確かに輝の声だった。
美咲と真紀は顔を見合わせた。
「い、今のって……」
美咲が青白い顔をして、震える声で言った。
「わ、わかんない…。でも、輝……」
真紀の声も震えていた。
真紀は琢真の方に向き、呼び掛けた。
「た、琢真!今の…、聞こえた…?」
琢真は、コクリと頷いた。
下で一体なにが起こったのだろうか。