生存率0%
6階を表示していた光が、5階、4階へと変わり、3階を照らそうとした時だった。
エレベーターが速度を落とし始めたのだ。
「…?変だな…。3階なんて押してない。」
琢真がポツリと言った言葉に、真紀が返事をした。
「…ねぇ!生き残ってる人がいるのかも!」
真紀の言葉に、今度は美咲が反応した。
「もしかして……、3階は大丈夫なんじゃないかな?人がたくさん居るのかも!」
泣き止んだ美咲は、期待を込めてそう言った。
受け止めきれない現実から、逃れたい一心で、美咲は、あらぬ期待を胸に芽生えさせていた。