生存率0%


しかし、その芽は琢真によって、簡単に摘まれてしまった。



「輝は、エレベーターで下に降りて、死んだんだぞ?誰か生き残ってるなんて、考えにくい。」


「でも、生き残ってるかもしれないよ?」



美咲は食い下がらなかった。

芽は摘まれても、根は残っていたようだ。



「危険すぎる。」


「でも…!」



美咲が言いかけた言葉は、エレベーターの音によって、途切れた。



【ポーン…3階です】



機械的なアナウンスと共に扉が、開いた。

その瞬間、美咲は扉に向かい、外に出ようと身を乗り出した。

突然の行動に、琢真と真紀は、声を出すことも出来ず、目だけが美咲を追っていた。

そんな中、美咲が、扉から一歩踏み出した時だった。



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