生存率0%


からっぽだった。



正確にいえば、えぐり取られていた。

美咲の前半分の体は、パックリと開いており、あるはずの中身(内臓)が無くなっていた。



「…み、美咲!?」


「どうなってるんだ!?」



2人は、美咲に近づくことができなかった。

ただ、パックリと開いた美咲を見ていた。


顔もパックリと割れ、眼球が、溢れ出している脳みその中を転がっていたが、美咲だということはよく理解していた。

さっきまで、目の前で立って、息をしていたのだから。


琢真が美咲だったモノから目をそらし、エレベーターの外を見ると、出口付近一帯に赤黒い塊が飛び散っていた。

おそらく、美咲の体から抜け出た内臓だ。



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