生存率0%


「……真紀。扉、閉めるぞ。」



琢真の言葉に真紀は、自分の耳を疑った。



「…ぇ…えっ?どうゆうこと?」


「美咲は…、もう死んでる。奴らが血の臭いに気づく前に、下りよう。」


「でもっ……」



真紀は、パックリ真っ二つに割れた親友を見て、ポタポタと、涙をこぼした。



「…ぅ…ぅう。ひっく…美咲ぃ…」


「真紀…」



真紀の涙に、琢真も美咲を見て、瞳を揺らめかせたが、涙を流しはしなかった。

しばらくすると、琢真は意を決したのか、顔を上げ、真紀に、



「いつまでも泣くなよ。美咲には悪いが、俺達だけで脱出しよう!」



と、厳しい口調で言った。



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