生存率0%
真紀は泣きながら、琢真を見つめた。
しかし、真紀の泣き顔でも、琢真の決心が鈍ることはなかった。
もう決めていたのだ。
次は自分の番だと。
真紀の為に、自分が犠牲になろうと…
「真紀…、頼むから、わかってくれ。」
「嫌だよ…。た、琢真と、一緒に…いる。」
泣きながらの途切れ途切れの言葉が、琢真の胸をしめつけた。
胸の痛みをごまかすように、琢真は真紀を『ギュッ』と抱きしめた。
そして、琢真が何か言おうとした時、
【ポーン…2階です】
死を知らせるアナウンスが、エレベーター内に流れた。