300字の恋愛ものがたり
第17話:ライバルからの年賀状
「あれ、年賀状また見てるの?」
「誰から来てたかなと思って……あ、こいつ」
とある昔馴染みの男からの年賀状で手が止まる。
「世界選手権で三連覇したって人?」
「そう。今は監督やって、世界レベルの選手育ててるって」
「すごいねえ」
妻の賞賛に、ああ、と曖昧な感じで応じる。
かつてはこいつとライバルだったなんて、嘘のような話だ。
思いを馳せていると、背中にかかる温かい重み。
「部活中に怪我したこと、今でも残念に思ってる?」
「……」
「確かに残念だったけど、推薦の大学に行ってたら、たぶん私と会ってないよね?」
「そうだな」
「ご飯できたよ、早く食べよう」
「今日は何?」
「大根とエビの春巻き。料理番組で見て美味しそうだなって」
「誰から来てたかなと思って……あ、こいつ」
とある昔馴染みの男からの年賀状で手が止まる。
「世界選手権で三連覇したって人?」
「そう。今は監督やって、世界レベルの選手育ててるって」
「すごいねえ」
妻の賞賛に、ああ、と曖昧な感じで応じる。
かつてはこいつとライバルだったなんて、嘘のような話だ。
思いを馳せていると、背中にかかる温かい重み。
「部活中に怪我したこと、今でも残念に思ってる?」
「……」
「確かに残念だったけど、推薦の大学に行ってたら、たぶん私と会ってないよね?」
「そうだな」
「ご飯できたよ、早く食べよう」
「今日は何?」
「大根とエビの春巻き。料理番組で見て美味しそうだなって」