300字の恋愛ものがたり
第9話:スキー
両親は大学のスキーサークル活動で知り合ったという。
正月に訪ねた時、酒に酔った勢いでそんな話をしていた。
親の恋愛話は酔った状態で聞いても気恥ずかしいものだったが、当人たちは照れくさそうにしつつも何やら楽しそうだった。
その話が夕食の時に出て。
「青春だよねえ。ちょっと羨ましい」
「悪かったな、面白みのない社内恋愛で」
「悪いとか言ってないでしょ。ねえ、来年はスキーに行ってみない?」
「金かかるぞ」
「今から貯めればなんとかなるって。子供たちに雪遊びもさせてあげたいし」
「ゆきあそび? したいしたい!」
「すきーいきたい!」
「ほらね」
してやったりと笑う妻に、はしゃぐ子供たち。
……これは、今年は相当に頑張らなければ。
正月に訪ねた時、酒に酔った勢いでそんな話をしていた。
親の恋愛話は酔った状態で聞いても気恥ずかしいものだったが、当人たちは照れくさそうにしつつも何やら楽しそうだった。
その話が夕食の時に出て。
「青春だよねえ。ちょっと羨ましい」
「悪かったな、面白みのない社内恋愛で」
「悪いとか言ってないでしょ。ねえ、来年はスキーに行ってみない?」
「金かかるぞ」
「今から貯めればなんとかなるって。子供たちに雪遊びもさせてあげたいし」
「ゆきあそび? したいしたい!」
「すきーいきたい!」
「ほらね」
してやったりと笑う妻に、はしゃぐ子供たち。
……これは、今年は相当に頑張らなければ。