至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
向かいに座る京様は、当たり前だけど、メガネなんてかけていなかった。
瞳が隠れるくらい厚くて長い前髪もなかった。
やっぱりあれはウイッグだった、みたい。
透けるように白い肌が、薄暗い部屋の中で浮いて見える。
恐ろしく整った顔、輪郭。
体の線は細いのに、首筋や鎖骨、血管や手にも……たしかな雄を感じる。
完成されすぎている。
なにより纏うオーラが凄まじい。
鈴木要として学校に来ていたときは、意図的に抑えてたんだと思う。男子高校生っぽく振る舞ってたんだと思う。
わたしが見てたのは、あくまで“鈴木要くんの姿をした京静日様”だったんだと、思い知らされた。
「ね。どうしてほしい、すばる」
「は、い」
「あはは、はいじゃ、わかんねーなあ」
あ……でも、こうやって無邪気に笑うのはおんなじ、だ。