至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
――『補欠でも合格は合格なんだからすごいよすばる。お母さんも嬉しいな』
辞退した名前も知らない誰かに、どれほど感謝したことか。
一時的にでも、お母さんから認めてもらえた。
わたしの命をつないでくれた……。
「で、話を戻そうか。龍泉閣には滅多に客が来ないせいで客人への対応がおろそかになっていた……ってのは言い訳にすぎない。マニュアルはおろか内部伝達すら行き届いてなかったこと、それ以前の問題であるモラルの欠如。責任はすべて俺にある」
「え……そんな、め、滅相もないですっ」
「どうしてほしい?」
「な……どう、って、」
尋ねられるのは3回目。
「無礼を働いた奴らを消すのは簡単だけど、すばるは、そんなことは望まなさそうだね」
「もちろんです、謝罪とかもいらないです! だってあの人たちの行動は正しいし」
「正しい?」
「龍泉閣を守る者として、少しでも怪しい人がいたら京様の元へたどり着く前に取り押さえるのは当然のことじゃないんですか……?」