至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「求められたら素直に応えて、本能に従順で自分のしたいこともちゃあんと言える、ときどきわがままで、おねだり上手な女」
「……? 具体的に、は?」
「はは、けっこう具体的に述べつもりなんだけど。直接的な表現はすばるには刺激が強いかなあ〜って、若干ぼかしたのがだめだったか」
ふいに、向かいのソファから京様が立ち上がった。
かと思えば、わたしのとなりにすとんと腰を下ろして。
指先が……わたしの頬に触れる。
「っ?」
こっちを見て、と。
無理やり向かせるんじゃなくて、誘い出すような触れ方。
影が落ちて……
漆黒に囚われた瞬間、目の前が暗くなった。
──ちゅ。
小さな小さな音が、すぐ近くで響いた。
唇に触れた冷たい温度が
甘くやさしい感触を残して……離れていく。
「つまり……こういうコト。わかった?」
満足気に笑った京様が、上唇をぺろりと舐めてみせる。
永遠にも思える、一瞬の出来事だった。