至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
艶っぽい仕草に、条件反射のごとく心臓が大きく脈を打つ。
──それから。
今、自分の身に起きたことを、ゆっくりとなぞって。
妄想でも夢でもないと、理解したとたん。
ドクドクッ……と、自分の胸から壊れたような音がした。
「っ、ぅ……え、い、まのは」
京様の唇が、わたしに触れて……。
そ、そんなことがあっていいんだろうか。
いやいや。
とんでもない。
許されないに決まってる……っ。
突然のことに頭が追いつかないのと、初めての甘い感覚に戸惑ったのと、申し訳なさと。
ぜんぶがぐちゃぐちゃになって涙になる。
「あーあ、すばるはすぐ泣いちゃうねえ。そんなに嫌だった? もしかしてその唇、ずっと大事とってたの?」
「っうぅ……ごめ、なさ……」
「はあ? なんで謝るかなあ」
「ちが……、嫌だったんじゃなくて、京様を、汚しちゃったから、うぅ、ごめんなさいぃ……」