至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
さっそく口に入れた一口目。
中でとろりととろける触感に、思わず「んぅ~」と声が出た。
柔らかいももの赤身に、塩と黒コショウが絶妙に絡んでお肉の旨味を存分に引き出してる。
感動のあまり涙ぐんでしまう。
「あはは、すばるちゃんいつも以上に幸せそうだ~」
「っうぅ、本当に幸せ、美味しい~っ」
跡形も残らないくらい、最後の最後まで味わってから飲み込んだ。
一口目の余韻に浸って、ひとまずいったんお箸を置いた。
……矢先に。
「きゃっ、見て! 飛鳥井くんいるよ……!」
誰かの声を合図に、場がざわっと騒がしくなる。
「飛鳥井くん〜お疲れさま!」
「飛鳥井先輩〜こっちに目線ください〜っ」
ひとりひとりに丁寧に応えている。
「やっほ〜」「お疲れ〜」と笑顔で手を振っている様はやっぱりアイドル。
どの子からの声も逃さず対応してて、プロフェッショナルを感じた。