至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
剥れかけた不動産の看板がついてるビルから地下へ降りて、龍泉閣の地下へ出る。
「宮名様、お待ちしておりました。湊君もお疲れ様です」
ビルの地下を抜けた先に1人。
「宮名様でございますね。先日は内部の者が愚を犯したようで、大変失礼いたしました」
エレベーターの前に1人。
立っていたのは同じ人だけど、昨日の対応とまるで違う。
1流ホテルのスタッフみたいに丁寧で、礼儀正しくて。
品定めするような視線も、蔑む視線も投げられなかった。
きっと京様の指示だろうけど……。
身の丈に合わないせいで、はっきり言って昨日より居心地が悪い。
ピ、と朱雀院様がボタンを押して扉が開く。
「湊君はここまでで大丈夫ですよ」
「あ?」
てっきり一緒に乗ると思ってた朱雀院様が、男の人に止められた。
「最上階には誰も入れるなと仰せつかっておりますゆえ」