至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
ふたりだけの城




長い長い廊下を、手を引かれながら歩いた。


突き当りの部屋。

ピ……、ピッ。

二重ロックをカードで解除した京様が「入りな」と先に促してくれた。



「どうも、お邪魔します」


扉が音もなく閉まる。


自動でカチリと鍵がかかるのを聞いて、ふたりきり、をようやく実感した。



「しっかし荷物少ないな。逆に何が入ってんのこれ」


わたしの引っ越しバッグを代わりに持ってくれた京様が、それをソファの上に置く。



「えっと、替えの制服と部屋着くらいです」

「制服あんなら掛けといたがいいな。ハンガーはこっち」


「あ、どうも」

「他に必要なものあったら言いなね。俺が全部用意する」


「いえそんなっ、大丈夫です」
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