至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
どうせまたお決まりの「めんどくさ……」の一点張りかと思いきや。
静日は無造作にキューを床に投げやった。
「あー、なるほど……ね?」
落とされた言葉をきいて、なんとなく嫌な予感が訪れる。
「湊、一般組のネクタイ持ってんでしょ」
「はあ?」
「お前が一般組の女にも手え出してんの知ってんの、こっちは。そん中の誰かは、わざとネクタイ忘れたりしてってるだろ絶対」
「あー……そうだな」
つくづく恐ろしい。
なんでわかんだよ。
「あるけどさ。ネクタイなんか、何に使うおつもりで?」
「一般組のフリして明日食堂に行く」
「はあ!?」
「俺の顔、誰も知らないから大丈夫って、お前が言ったんじゃん。もしバレたら、責任、ちゃあんと取れよ」
語尾にハートマークがたしかに見えた。
……ああ、また静日の悪ふざけが始まった。
学校に行け、なんて言ったことをすぐさま後悔する。
――この……快楽主義者め。