至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
いつまでもエレベーター内にいてはだめだと思い、足を1歩踏み出す。
相変わらず薄暗くて不気味な廊下。
ひとりで歩くと、実際の何倍も長く感じる。
ようやくたどり着いて、扉をコンコンコン、と叩いた。
……ものの、中から反応がない。
もう少し強めに叩いてみても結果は同じ。
「静日くん、宮名すばるです。いますか〜?」
やっぱり反応なし。
もう帰ってるって話だったけど、
インターホンのようなものもないし、連絡できるようなスマホも持ってないわたしは、持たされていた予備のカードキーをカバンから取り出した。
龍泉閣の構成員でもない部外者だから、コレあんまり使いたくなかったんだけどな……。