至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
どうしよう、練習なのに……。
本当に恋人みたいにしてくれるせいで、頭が勘違いしちゃう……。
わたしは静日くんの彼女で、静日くんはわたしの彼氏だって……。
だめなのに。
相手は街一番の権力者のご令息で、わたしは庶民の中でもさらに出来の悪い女……。
妄想の中ですら許されないよ……っ。
「すばる、俺のことちょっとでも好き?」
「へっ?」
一瞬ぽかんとしたのち、理解する。
そうだ。
恋人みたいにするって設定だから、これは演技の一環。
さっきだって、それっぽさを出すために静日くんも「好き」って言ってくれたから……わたしも応えないと。
「す……すき」
「なに、聞こえなかった」
「っ、えっと……」
「………」
「し、静日くんのこと、が、だいすき……
──っ、ん」