至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
うちの学校で使う教科書なんかとは、まるで違う。
ハードカバーの難しそうな本。
真剣な眼差しに、どき……と心臓が動いた。
こういう表情もするんだ……。
わたしにいじわるを言って、からかって、楽しんでいる静日くんとは別人に見えた。
──『ねえ、宮名さん。京がどうして学校に来ないか知ってる?』
ふと、飛鳥井くんの言葉が頭をよぎる。
来ないんじゃなくて、来られないって言ってた。
理由は、わからないけど……。
──『学校で学べないぶん本人は誰よりも努力してるよ。周りには、わざと“怠けている”ように見せてるだけで』
わたしより遥かに疲れて帰ってきてるのに、さぼらないで勉強するんだ。
一緒にいるわたしにも、気づかれないようにして……。