至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
毛先を派手に遊ばせた、くすみがかったピンクアッシュの髪色。
耳元に光るピアスの数々。
風貌だけでも目を引くのに、決してそれだけじゃない凄みのあるオーラが周りの視線を釘付けにする。
スザクイン──。
どうやらこの人が、龍泉閣の幹部で、京様が唯一気を許してるって噂の“朱雀院 湊”サマ、らしい。
「実はこのAクラスの生徒が、いつも龍泉閣で京様や朱雀院様を出待ちしていて……! 私たちが注意していたところなんです!」
「あー、出待ちねぇ」
わたしと真凛ちゃんに向けられた視線は、すぐに興味なさげに離れていく。
「で。その、Aクラスは出待ちしちゃいけねーって決まりは誰がつくったんだ?」
「だ、誰がつくったとかではないのですが……庶民が龍泉閣に集って、さぞ迷惑されているだろうと思いまして」
「うちの京が、一度でも“Aクラスの出待ちが迷惑だ”と言ったか?」
「え? いえ……それは……。まずお姿を見たこともありませんので……しかし……」