至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

だんだんと語尾が弱くなるSクラスの女の子たち。


それにとどめを刺すように

「じゃあ二度と勝手なマネすんな」

冷たい低音が放たれた。



「いいか。龍泉閣では京がルールだ。可も不可もすべて京が決める。それを無視した今回のお前らの行動は、京への侮辱に等しい。次はねぇぞ」


彼が背中を向けてから、ようやく息を吸うことができた。
それくらい空気が緊迫していた。



朱雀院様……今、助けて、くれた……?



わたしたちを囲んでいたSクラスの子たちは目を真っ赤にしながらこちらを睨んでいて。

だけど、もう何も言えないみたい。

代わりに完全に朱雀院様の姿が見えなくなったタイミングで、再びテーブルを乱暴に蹴ってきた。


その反動で、ぐらり。


「っあ……」


真凛ちゃんの定食についていた春雨スープがこぼれてしまう。


慌ててポケットティッシュを取り出してみたけど、もう床にまで及んでしまっていて、とても拭ききることはできなさそう。
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