至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
「真凛ちゃんスープ足に掛かったりしてない? 大丈夫?」
「………」
顔をのぞき込んでみるも反応がない。
一点を見つめて、ぼうっとしているような。
あと、若干顔が赤いような……。
どうしたんだろう?
だいたいテーブルを蹴られたっていうのになんの反撃もしないなんて、真凛ちゃんらしくない……。
「なにこいつ。怖っ」
Sクラスの女の子たちはそんな真凛ちゃんに捨て台詞を吐きながら逃げるように去っていった。
とりあえず雑巾かなんかで拭かなくちゃ……。
と、おもむろに席を立ったとき。
「さっきのイケメンどこに行った!?」
食堂の入り口付近から、ばたばたと慌ただしい足音が聞こえてきて、何事かと顔をあげる。
イケメン……。
朱雀院様のことかなと一瞬思ったけど、
「赤のネクタイだったよね、Aクラスにあんな綺麗な男の子いたっけ!?」
「見たことないよね〜誰だろうっ?」
「眼鏡かけててもイケメンオーラやばかったよね! 背も高かったし! 絶対探し出そ……!」