至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-

「あの……さっきは本当にありがとうございました」


学長室を出て、廊下にふたりきりになったところで、飛鳥井くんに頭を下げた。

飛鳥井くんが助けてくれたおかげで、龍泉閣にいたこともばれなくて済んだ。


それどころか、飛鳥井くんの嘘で、お母さんに褒めてもらえて……。



「いえいえ。大変だったね。宮名さんを助けられてよかったよ~」



そう言ってにっこり笑ってくれる飛鳥井くんは、本当に優しい人だと思う。


だから、“あんな提案”をしたのも、わたしのお母さんの機嫌をとろうとしてくれたから……だよね?

さすがに婚約なんて、話が飛びすぎてるし……。




「それで飛鳥井くん。さっきの、こ、婚約っていう冗談についてなんですけど――」

「あはは、冗談だと思ったの? さすがの僕も、冗談で婚約とか言わないって」

「な……!?」

「言ったでしょ。僕は宮名さんのことが好きだから一緒にいたいし、僕を選んでほしい」



た、確かに好きって、言われたけど。


なんていうか、いつものゆるい感じのノリだったから、本気じゃないと思ってた……。

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