至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-
だめだ、頭パンクしちゃいそう……!
「でも、婚約とかまだわたしたち高校生で、その、」
「もちろん、今すぐ結婚しようってことじゃないよ? まずはしばらく僕の家に一緒に住んでから、考えてほしいな」
「……っ、でも……」
わたしは、静日くんが好きだから……。
今日気づいたばっかりのこの気持ちは、叶わなくても大事にしたい……。
「それにさ。どうせ、いつまでも龍泉閣にいるわけにはいかないでしょ?」
「……え」
「宮名さんも、京の立ち位置はわかってるよね?」
立ち、位置……。
この街でトップの権力を持つ京グループのご令息であり、この街の象徴である龍泉閣の皇帝。
改めて思い出して、はっとさせられる。
最近は近くにいすぎたせいで、感覚が鈍ってしまっていた。忘れかけていた。
本当は、わたしなんかが近づくことは許されない雲の上の人。龍泉閣の構成員の人たちですら、直接話すこともなかなかできないほどの……。
「京家と龍泉閣の名を背負った男が、Aクラスの女の子と一緒に住んでいることが周りにばれたら……どうなるかわかるよね?」
ぞくりとした。
そうだ。
もともと、わたしは構成員の人たちによく思われていなかった。
静日くんの命令だから、表面上よく接してしてくれているだけ。
わたしの存在がばれたら、京家や龍泉閣の品位まで落としてしまう。
「静日くんに、迷惑を、かけちゃう……?」
「騒動になってからじゃ遅い。傷つくのは宮名さんだから、あそこからは早めに出ていったほうがいいよ」
「…………」
「家に帰りたくないんだったら僕の家においで。初めから僕と住んでいたことにすれば、龍泉閣にも迷惑はかからないから。……ね?」