至高の冷酷総長は、危険なほどに彼女を溺愛する -CLASSIC DARK-





放課後は非常階段に向かわず、送迎の車には乗らなかった。

朱雀院様に会いたくないのもあったし、今はひとりになりたかった。



今日は静日くんも帰りは遅くなるって言ってたし、気持ちの整理をしつつ覚悟を決めるんだ。

龍泉閣に置いている荷物もまとめないといけないし。
明日には、出ていけるように……。


暗い気持ちのまま、ぼんやり考えながら歩いていたら、ふと視線を感じた。

かすかに誰かの気配も感じる。


ひとりじゃない……複数人。

なに……?


思い切って振り向いてみても、通学路はがらんとしていて誰も見当たらない。


あれ……?

気の、せいだったかな。

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